日本学校演劇教育会関西支部の日記

演劇と教育の発展とその深化を進めていきたいと考えている活動を記事にしています。

奈良県の郡山高校でワークショップを行いました

支部長が奈良県立郡山高校演劇部で行ったワークショップの報告です。

12月15,18,20日にそれぞれ約5時間ずつ、奈良県立郡山高校の普段の稽古場所=講義教室と城内学舎の合宿も可能な和室において、演劇部の皆さん数名と、ワークショップ形式の活動を行いました。
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支部主催の劇作家・演出家・俳優わかぎゑふさんのWSで、参加されていた同高校の演劇部顧問の先生方お二人とお会いしたことがきっかけで、私の地元でもあることから、郡山高校の(高校演劇)奈良県大会出場前から稽古を覗かせていただいていたご縁でした。
最初に講堂での舞台稽古を見させていただきました。活動の時間管理が徹底しており、その中で和気あいあいと、しかも話し合いを元に自主的民主的に活動を自分たちで行っておられ、顧問の先生方が来られた時は、必要な相談を持ち掛け、アドバイスや指示を受ける、こういったことが、伝統として形作られていることを知るにつけ、驚きと敬意が沸き上がり、とても嬉しくなりました。
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作演出を担当されていた部員さんから、「間とテンポ」、「感情表現」を高めたいがその練習方法を知りたいという相談もあり、ワークショップをやる中で、ヒントを見つけて普段の稽古に生かしていただければという思いが湧き、演技と演出面からのアプローチで、おおもとのコミュニケーションに基づいた郡山高校の皆さんならではの作品作りの一助になればと思いました。
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4回のワークショップは、<こころとからだを緩め、解きほぐし、出会いと交流、協力・創造、伝え、伝わる表現を楽しむ>を目的とし、下の1~4を軸にして、構成しました。(今年度春に一般の演劇教室『夢民の丘』で行ったものが土台)
1.自分自身と他のもの人を見つめ、立ち位置を感じながら、違いと共通点(類似点)をとらえる。
2.相手に提案・提供(offer)し、受け取り受けとめ(accept),そしてまた受け渡していく(pass)ことを体感する。
3.相手やもの・ことを深く受け入れ、その存在を意識して、本当に伝えたいことを伝える。
4.自分とは違う「もの」になり、全体としての自分をとらえ直しつつ、今までとは異なるコミュニケーションへの一歩を踏み出す。
3回目までで合計30種類以上の個々のワークは、今まで支部でやっていただいた講師の方々や私が参加させていただいたD.I.E.(Drama in education)、ドラマケーション普及センター、獲得型教育研究会、かめおかゆみこさんなど教えていただき学んだものを含めて紹介しながら、郡山高校演劇部の皆さんの受けとめや求めるもの、リアクションから追加変更もしながら行いました。 
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〈楽しみながらチャレンジしてシェアする〉そんな場を参加するみんなで作り上げていくことを目指そうということでスタート、皆さんはじめてやることがほとんどで興味津々、目を輝かせて取り組まれました。
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終了後アンケートには、ファシリテートする私と同様、皆さんも体験し、こころとからだで体感することによって、お一人おひとりいくつもの気づきと発見があり、今お持ちの問題意識から今後の演技や演出、あるいは演劇部活動のあり方や稽古の方法のヒントや方向性を見つけられたようでした。
その中で、大阪府大会で創作脚本賞を受賞された信太高校演劇部顧問小林愛美先生の作品「オチコチ」(二人芝居)の一部をみんなでやってみたいということになり、役者2人と演出1人の3人一組3チームに分かれて現在稽古中です。また大阪府私立学校芸術文化祭(演劇部門)も一日観劇され、府大会や近畿大会に出場された清風南海東海大仰星金蘭会高校3校の、今年度最後を飾る芸術創造館での舞台も観られ、他校の熱の入った完成度の高い公演を観て刺激を受け、学ばれたことも多かったようです。2月にある近畿大会上位2校が上演する京都造形芸術大学春秋座での公演もお勧めしようと思っています。
日頃の部員さん達の取り組みとチャレンジ、そしてそれを支えてこられている顧問の先生方の温かで熱意あるサポートが、共に更に豊かになっていくことを願いつつ、4回目以降のワークショップに臨みたいと思います。